無くてはならない施設
下妻地方広域事務組合城山公苑は、下妻市、八千代町、常総市(石下地区)から排出される、し尿と浄化槽汚泥を処理するところです。
令和3年度は1日あたり約82キロリットル、年間にして約3万キロリットルのし尿及び浄化槽汚泥を受け入れ、処理しました。
馴染みのない施設かもしれませんが、ごみと同様に、適正に処理をしなければ私たちの生活環境の悪化や、環境破壊に繋がる恐れがあるため、日々の安全な運営に努めています。
これからの城山公苑
し尿処理施設の全国的な流れは、稼働から30年の施設では約80パーセントが、稼働から35年の施設では約9パーセントが施設を更新しており、施設の老朽化が全国的に課題となっているなか、この城山公苑も稼働以来38年が経過し、組合施設の中では一番古い施設となっています。
定期的に施設の維持補修工事を実施し、支障なく運営しているところですが、老朽化という課題があります。
現在は、経済性を考慮しながら、生活様式の変化への対応や、環境に配慮した循環型社会の形成に貢献できるような、施設整備計画を検討しているところです。
これからも、搬入される廃棄物を適正に処理し、よりよい自然環境を後世に残せるよう、住民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ってまいります。
処理のながれ
(1)バキュームカーで搬入
下妻市、八千代町、常総市(石下地区)から排出される、し尿と浄化槽汚泥がバキュームカーで運び込まれます。
(2)受入前処理設備
運び込まれたし尿及び浄化槽汚泥は、ドラムスクリーンでごみを取り除き、次の1次処理設備で処理しやすい状態にします。
(3)1次処理設備
前処理設備から送られてきたし尿は、IZ反応槽内に投入され、大量に供給される酸素と大量の 微生物の中で腐敗物質(BOD、COD)やアンモニ アは殆ど分解されます。
さらに、腐敗物質を分解した時に増殖した微生 物は遠心分離機にかけ脱水し、汚泥としてごみ処理施設「クリーンポート・きぬ」に搬出されます。
(4)2次処理設備
遠心分離された液は凝集沈殿により、色度・COD・リン酸を除去されます。 凝集沈殿された液は砂ろ過にかけられ、より透き通った液にします。
(5)高度処理設備
2次処理設備からの液には少し色もついており、CODも残っているので活性炭による吸着処理をし、無色透明の処理水にします。
(6)最終処理水
消毒を行い、最終的には水道水と変わらない処理水になり放流されます。
各設備別処理水
- 受入前処理設備(除渣し尿)
- 1次処理設備(IZ処理水)
- 高度処理設備(活性炭処理水)
- 2次処理設備(後処理水)
用語説明
BOD(生物化学的酸素要求量)
水中の有機物が微生物で酸化分解されるときに必要な酸素量。
COD(化学的酸素要求量)
水中の有機物が酸化剤で分解されるときに消費される酸素量。
※BODもCODも数値が大きいと、水質汚濁の程度が大きいことになります。
浄化槽汚泥
合併処理浄化槽で台所や水洗トイレ、お風呂からでる生活雑排水等を処理しています。この処理に伴い、汚れ が分解できず浄化槽の底に溜まるものを浄化槽汚泥とよびます。また、浄化槽の機能を維持するために定期的に引き抜く ことが必要とされています。
IZエアレーションシステム
液体の中に、大量の酸素を効率よく溶解させる能力を持つシステムです。大量の酸素の確保と 大量の微生物を繁殖維持することができるので、濃いし尿を無希釈のまま、短い浄化日数(3日から4.5日)で高度に処理が できます。