ごみにもいろいろな種類があります。可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ。その中でも、今回は特に処理が大変な不燃ごみについて特集します。クリーンポート・きぬに集まってくる不燃ごみの中身を見てみよう。
実は、集積所に出された不燃ごみ袋の中身のうち、約7割が飲料缶って知っていたかな?
本来、飲料缶は、集積所の飲料缶専用コンテナに出されて、各市町が収集し、リサイクル会社に引き取られるはずが、実際には、飲料缶は不燃ごみ袋に入れられてクリーンポート・きぬに運ばれているんだ。
飲料缶は不燃ごみ袋に入れずに集積所の飲料缶専用コンテナへ!
搬入された不燃ごみ袋の選別作業
ここでは、袋を一つ一つ開ける作業をしています。
なぜ袋を開けているかというと、危険なものが入っていないかを確認しつつ飲料缶とその他不燃ごみに分けているのです。
この作業は、最初から飲料缶が分けられていればもっと作業がしやすくなって、危険なものも発見しやすくなると言うことです。
さらに、飲料缶は他のごみが混ざっているとリサイクルができないため、ごみの分別は大切なのです。
写真から分かるとおり、山積みにされた不燃ごみ袋を一つ一つ開けて分別するのに現場作業員は大変です。分別作業が終わらず、また次に不燃ごみがやってくる。
「飲料缶は不燃袋に入れない」。そのみなさんの行動一つで現場作業員はものすごく助かるんです。
ごみクレーン
この大きな機械はごみクレーンと言います。焼却する前にこのクレーンを使って、ごみをかき混ぜています。
ごみをほぐし均一化させることで、ごみが燃えやすくなり、燃焼効率がアップします。
そして、ごみクレーンによってかき混ぜられたごみは、焼却炉に投入されていきます。
中央制御室
中央制御室では、各機器の運転操作や監視業務、焼却炉の温度管理などを24時間体制で行っています。
ごみがしっかり燃えていると、人体に有害なダイオキシン類の発生が抑えられます。そのためには、燃やす温度が大切です。
徹底した温度管理
廃棄物焼却施設がごみを燃やす温度は、800度以上と義務付けられています。高温で燃やすことで、ごみを完全燃焼させることができ、不完全燃焼時に発生しやすいダイオキシン類の発生を抑えることができます。
燃焼排ガスのゆくえ
焼却炉でごみを燃やすと排ガス等が発生します。燃焼排ガスには有害な物質(塩化水素や硫黄酸化物)やばいじん(ちりやほこり)が含まれています。
クリーンポート・きぬでは、排ガスをバグフィルターというところへ通し、有害な物質をろ布に付着させ、取り除いてから煙突に送っています。クリーンポート・きぬの煙突からは、煙ではなく、水蒸気が出ています。
バグフィルター内部
(1炉につき 布432本)
余熱利用
ごみを燃やした時に発生する熱は、施設内の冷暖房や温水として使用されるほか、隣接余熱利用施設「ほっとランド・きぬ」で使われています。
意外と知らない野焼きの温度
野焼きは、焼却温度が200度から300度にしかならないため、完全燃焼しづらく、ダイオキシン類も発生しやすくなります。また、煙や悪臭により、地域住民の迷惑となってしまいます。